第3章 矛盾の味
コンコン。
真っ直ぐ楽屋へと向かい、ドアをノックする。
「どうぞ」
中から翔さんの返事が聞こえたのを確認し、ドアを開けた。
「翔さん?言って来ましたよ」
「んー、ありがと」
イスをいくつか縦に並べ、うつ伏せになりリラックスしている翔さん。
そんな無防備な翔さんにイタズラ心が芽生える。
…けど翔さんは怪我人。
そんなことしちゃダメだって分かってる。
「翔さん、マッサージしてあげますよ」
でも欲望に勝つことが出来ず、返事を待つことなく翔さんに馬乗りになる。
勿論、右脚には負担をかけないように。
「え?ってニノ、降りて」
「やです、もう決めたことだから」
せっかくの2人きりなんだし。
無防備にうつ伏せになっている翔さんも悪い。