第5章 歌声 (裏:政宗、家康、信長)
湖が戦国時代に来て数日、昨夜は信長に呼び出され持っていた所持品の説明をした
一緒にタイムスリップについても
バッグに入っていたスマートフォンを手に取ると
「このような材質は始めて見る…錫でも鉄でもない…鋳型に何かを流し入れて作ってあるようだな…今の世にこのようなものを作る技術はない…」
「「たいむすりっぷ」という自然界の異常現象に貴様は巻き込まれた…ということは理解した」
湖のたどたどしい説明をした聞き理解を示すと、再び戻る日が来るまで自分の側に居るようにと言い渡された
(やっぱり頭の回転と柔軟性がすごいなぁ…信長様)
荷物もあっさり返してもらえ今朝は朝からいい気分の湖は、フンフン♪と鼻歌を歌いながら台所で女中の手伝いをしていた
「湖様、ご機嫌ですね」
ふふっと笑いながら、いつも色々教えてくれる女中に話しかけられた
(あ…しまった…)
「っ…すみません、歌ってましたね」
「聴いたことのない歌ですが、何処の歌ですか?」
少し迷ったそぶりを見せてから湖が答えた
「私が暮らしていた場所で若い子たちが恋の歌として流行っていたんです」
湖の説明を聞いてた下女たちが、歌ってくれとせがむが「恥ずかしいです」といい断られた
しばらくして湖は台所で一人野菜を洗っていた
女中たちが他の仕事に行く合間で一時一人になる時間がいつもある
そんな時、決まって湖は一人歌っている
そして今日も…