第12章 私を待っていた彼は(裏:安土組全員)
「・・・いつでもいいから」
(まぁ・・無理だろうけど・・・)
片膝を付いて立ち上がろうとした家康に、無意識か湖が手を伸ばす
「・・・湖?」
「っ・・・ぃぃ・・」
顔を伏せて呟くその声に、家康は目を見開く
(今・・)
「ぃ、家康がっ・・・それが・・・お礼になるなら・・・」
湖の赤が移ったように、家康の頬も赤くなる
「あ、あ・・・の、私・・・あんまり、そうゆうのしたことない・・のっだから・・・その・・・あの・・・」
「いいの?」
「あ・・・っ・・・ぅん・・」
湖の返事を聞くと、彼は片手を畳に付き湖へ身体を寄せる
湖は身構えたように、その身体を揺らした
そっと顎に手を当て、顔を上げさせれば
ぎゅうと目を閉じたままの湖の顔
それが、可愛らしくふっと笑ってしまう
「可愛い」
ちょんと、触れるだけの口づけを落とす
先ほどとは全く異なるそれに、湖が目を開けた
すると、微笑む家康の顔が間近にあり
その顔に見ほれてしまった
「湖?」
「家康・・・綺麗・・・」
「・・・は?」
突拍子も無い言葉に、眉が動く
そのまま自分を見つめる湖に、ため息を零すと
「綺麗って言葉は・・・もう少ししたら、湖に返すよ」
そう言い湖を優しく押し倒す
「ひゃ・・」
畳に広がる湖の髪を一房すくうと、それに口づけを落とす
そんな行動を見ているだけで、湖は顔を染めた
「じゃあ、遠慮無く貰う」
帯に手を掛けると、湖に口づけを落としながら器用に解いていく
湖は緊張しているようで、その身ぎこちなく固まっている
その緊張を解すように、優しく深く口づけを続けている内に、甘い声が出始める
「ん・・・」
とろんとした瞳で自分を見る湖
「湖」
いつの間にか、帯は抜き取られ着物の合わせも開かれてる
襦袢の裾から手を忍び込ませ足をなで上げると、ぴくりと身体が反応する
白い襦袢が開かれ見えるのは、傷1つ無い湖の白い足
胸下に手を当てれば、ばくばくと跳ねる鼓動
ただ、鼓動が跳ねているのは湖だけではい
家康も自分の心臓がうるさく鳴っていることに気づいていた