第2章 × 菅原孝支

孝支にぎゅっと抱きしめられて
幸せをかみしめる。

「ねえ、そういえば、大地になんて言ってチョコ渡したの？」
「え？そこ、気にする？！」

「当たり前だし！！」

「いや、普通に・・　いつもありがとう　って。」
「本当にー？！」
「本当だよ！！」


怪しいな～
と、言う孝支。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「澤村くん、あのね、そのー。」
「どうした？」
「いつも、声かけてくれて、ありがとう。
　いつも、優しくしてくれて、ありがとう。
　仲良くしてくれて、ありがとう。
　澤村くんのこと、友だちとして、本当に好きだなって思ってる。これ、どうぞ。」

澤村くん用に用意したチョコレートを手渡す。
笑顔で受け取ってくれる。

「おー！ありがとー！作ったの？」
「うん。」

「で？本命は？用意した？」
「へ？！」
「スガでしょ？」

「なんでわかるの？！」

「いや、だって、俺といてもスガの話しかしないし、スガの話してるとき、めっちゃいい笑顔だよ？」


「ま、がんばりなよ！」

ニカッと笑う澤村くん。

「うん、ありがと。」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

いや、言えないよね。
言えない、言えない。


「本当は？何話したの？」

「ひみつだよー！」

ええー？
と言う孝支。

でも、最近は見せなかった孝支の満面の笑み。
これが見れるなら幸せだ。


おわり