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人外王の花嫁

第5章 魔物の王


「っ、ぷは!」

「んぶっ!」

そんなに深く無い噴水に尻餅をついた姿で二人水から顔を出す。そして視線が重なるとどちらからともなく笑いがもれて二人して声を上げて笑った。

「もう、びしょびしょです」

「ん、ごめん…」

「今日は暑いですし…気持ちいいですから大丈夫ですよ」

そう言って笑いかけると、ルナール様のつぶらな瞳と目があった。そしてルナール様の手が私の手に絡む。指同士を絡めてしっかりと手を繋いだルナール様が私に何かを言いたそうに見詰めていた。

「、し、たい…」

「え…?」

「昨日の、気持ち、い、の…したい、交尾、し、たい…」

そう口にしたルナール様が私の手を引いて抱き締めて来た。腰を抱いて首元に顔を埋めると、そこに唇を押し当てて来る。

「ひゃっ、ぁ、あの、ここで、ですか?」

昼間の明るい時間に、しかもここは誰が何時通ってもおかしくないお庭の噴水だ。

「ん、し、たい…駄目?」

「あの、でも、ここ、誰か通るかもしれないですし…」

私が戸惑っていると、ルナール様の顔が泣きそうに歪んだ。

「でも、し、たい…今、すぐに、と…交尾、したい」

目を潤ませて泣きそうになりながら訴えるルナール様に心が揺れる。本当なら直ぐにでも甘やかしてあげたいのだけれど、やっぱりこんな所じゃ…

「ちゃんと、気持ち良く…する、から」

ルナール様の手が私のスカートの裾から中へと潜り込んで来た。そして下着をずらすと、昨日ルナール様が頻りに触れてきた場所に指先が触れた。

「あっ…」

水の中で、絶妙な力加減でクリトリスを指先で転がして来るルナール様。昨日の事で私が感じる場所、力加減はしっかりと覚え込んだらしい。恐るべしルナール様の記憶力。

「んっ、ふ…でも、誰か、来、たら…」

「来たら…何?駄目?」

どうして、と首を傾げるルナール様の指先が私の膣の入り口に触れた。そして指先で探る様になぞられ、第一関節辺りまで潜らせ、入れたり出したりクプクプと弄んで来る。

「あっ、あぁっ」

「誰か、来、ても、大丈夫…に、触る、のは、僕、だけ、だから」

安心して良い、と微笑むルナール様に何かが違うと言いたかったけれどもうそんな余裕も無くなっていた。ルナール様の腕の中で与えられる刺激に体を震わせる。身動ぎするとチャプッと水が跳ねた。
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