第4章 虫の王
「あぅ、んっ、ん!!」
達した快感に足先まで力が入る。しっかりと子宮の中に注がれる熱に体を震わせた。
「っく、ぅッ」
キリヤ様が体を小刻みに震わせる。私の中に埋まったキリヤ様の高ぶりも同じ様に小さく振動していた。
「っ、はぁ、はぁ…」
私は体から力を抜くと脱力感にキリヤ様の肩口へ頭を預けた。キリヤ様も私の首元に顔を埋めて呼吸を調えている。
「…、大丈夫?」
「っ、はぁ、ん、は、い…大丈夫、です…」
キリヤ様が鼻を擦り寄せて大きく鼻から息を吸い込んだ。私の香りを確かめているみたい。体を重ねるキリヤ様の重みを感じる。でも私が苦しくない様にちょっと力を入れて支えてくれているのが分かって少し笑ってしまった。
それに気付いたキリヤ様が不満そうに私の手に自分の手を絡ませた。人とは違う人より長くて節ばった指。キリヤ様は握った私の手を引き寄せてその甲へと口付けた。
キリヤ様が私の顔をじっと見て来る。そして静かに目を閉じて一度深呼吸をした。
「僕達の世界の出生率が低下してるのは…知ってるよね?」
「はい」
繋がったままにキリヤ様がゆっくりと話し初めた。
「でも、人間と交尾をすれば妊娠する確率はとても高い。まぁ、交尾も命懸けで、しかも交尾を無事に済ませたとしても母体の殆どが出産で死んじゃうんだけどさ」
は大丈夫だろうけど、と笑うキリヤ様がそれでも死ぬと言う言葉を使った時は私を強く抱き締めてくれた。
「でも、僕達王は子供が必要だ。だから…昔、人間界から女を何人か連れて来た事が有った」
キリヤ様が思い出す様に私から視線を外して一点を見詰める。
「人間を狩るのは禁止されてるから無理矢理じゃないよ?僕達の世界の事を知るのところの権力者が何人か送って来たんだよ。調度新しく総理大臣になった所だったみたいだから、僕達とコネクションを強くしておきたかったんだろうね」
そこでキリヤ様は大きく吐息を付いた。その様子から余り良い思い出では無いのだろうと思ってキリヤ様を強く抱き締めたら、下腹部にも力が入ってキリヤ様の存在を感じてしまった。
慌てて強く抱き締めるのをやめると、キリヤ様が笑いながら中の自身を小さく何度か動かした。
「っ、ん…」
激しいものではなく緩い、ゆったりとした心地よさ。キリヤ様が私の頬へと口付けた。