第7章 双子の1番小さな林檎飴 ーーホストナンバー4
無意識にオレは彼女の名字を発した。 その瞬間、ハッとする。
[すみませんっ、通して下さいっ!] キャアアアアアッッッ!!!
隼斗の声がハッキリ聞こえて、再び歩き出すみんなの姿が視界に入り、オレは慌ててみんなの方へ。
[···ッ?]
オレは眉を潜めた。
[ッハアッ、やっと着いたぜッ··!!]
オレは手を膝に体重を乗せた。
[やっぱりっ、··っ皆さんスゴいででで、でずねっ!!]
かッ···、彼女が一番息を切らせていた。そして、膝から崩れ落ちた。
[山田っ大[体力無さすぎ。][お前があり過ぎるんだよッッ!!]
真上から菜太郎がオレたちを見下ろす。バカにするように。
オレが無言で睨んだら、ふいに奴が口元を歪ませた。
[ッッッ···!!!]
あの後のオレたちはというと、ナゼか大量(?)の女の人たちに追い回され、バスが満員を超え、ギュウギュウの中、チラッと見えた窓から見えた景色は女の人たちだらけッ!! し、俊足ッッ!!
視界が女の人たちの背中や腰だけに(正直恥ずかしかったぜッ···)。
菜太郎や隼斗、スウ、そして、山田の姿が見当たらなかった。何度彼女の名字を呼んでも、オレの、···········身長が低いせいで、動くどころか
彼女の姿さえ、ーーーーーーーーー見つける事が出来なかった。
[ッ山田···ッッ]
それに、他の女性たちの体を押し退ける事も出来なかった。
そのままオレたちは、女の人たちから逃げ走った。このメンズの服屋まで。
[大丈夫っ!? 二人共、っ··山田、あっちのベンチで休んでてっ]
と隼斗が山田の手を掴む。
[ッッ!!] [!!っは、はひぃっっ!]
顔を少し赤くする彼女を見て、バスのあの窒息しそうな息苦しい景色が脳裏に強く浮かび、オレはグッと拳を握った。そして思わず
[ッ一人で立て[··駄目·······················]
[スウっ···?] 隼斗の声が頭の中で、響く。
ーーーーーーーーーオレの前に、スウが立っていた。