第9章 交差する闇、絶壁の霹靂
エミリーはぼんやりと天井を見つめていた。ここがどこであるのかも自分が何のためにいるのかもわからない。
「あれ?今日は何月何日だっけ?」
奥の部屋にあるカレンダーを見ると何やらバツ印が書いてあり18日で止まっていた。
「今日で1週間?」
エミリーが連れてこられて1週間が経っていたのだ。自分の体を見るとずいぶんと痩せているのが見える。起き上がるのがつらい。体が硬直している。
「いったい何があったの?」
液体を口に流し込まれた後は何も覚えていない。突然、頭がくらくらして体中がしびれた・・・・・・・。
気が付いたら冷たいコンクリートの床に横たわっていた。腕には鎖が巻きつけてある。
「やだっなにこれ?」
下半身がもぞもぞする。ずっと寝ていたせいか体がこわばり動けないがトイレには行きたい。
「やっと起きたかお嬢ちゃん。」
また知らない男がやって来た。
「何よこれ?動けないじゃないの!!!トイレに行きたいわ。何とかしてよ。」
「仕方ないなあ~。」
エミリーが必死に訴えると男は何かを持ってきた。
「えっ?」
エミリーが驚いてるうちにスカートがめくられてパンティーを脱がされた。
「ここに尿を出すんだ。」
男は尿瓶を差し出して言った。
「何を考えてるの?早くトイレに連れて行ってよ。」
エミリーは男をにらんだ。
「それはできん。第一体が動かないって言うのにどうやってトイレまで行くんだ?俺だって動けない人を抱えるまでしたくないんでな。それに大事な情報が洩れちまう。早く新瓶に流すんだ!それかまさか・・・恥ずかしいのか?大丈夫だ。恥ずかしいのは今のうちだ。そのうち慣れるさ。」
男がニヤニヤしているのがわかる。しかしこれ以上我慢できないのでエミリーは尿瓶の中にコトを流した。
流した後は妙に気持ちよかった。
「そんじゃ大事なのをいただいていくよ。」
男はエミリーの下半身をティッシュで丁寧に拭いた後、体を左右に動かしながらパンティーを履かせて言った。
「私の尿で何するつもり?」
「何だっていいだろ?せいぜいそこでおとなしくしてるんだな。」
男はエミリーの言葉を遮り、尿瓶にふたをして出て行った。