第5章 4月。
「気持ちいい? 腰、浮いてるよ。中も弄ってほしいよね? 口でも……してあげる」
中には指が一本突っ込まれて、軽い痛みを感じる。
痛いなんてばれるわけにはいかない、と思ったけど、前の突起に絡められた舌でまたビクンと跳ねてその心配も忘れちゃう。
「あっ……、あぁんっ、気持ちいいっ、はぁっ、はぁっ……やぁっ」
「指……そんなに締めつけたらきついよ。二本は無理かな。でもすっごい濡れてきた……俺も興奮する……」
彼の言葉が私を煽って、狭そうに中で暴れる指すら、傷みから快感に変わる。
「はぁっ……あっ、あぁんっ、はぁっ……」
「もう、入れてもいい? 俺我慢できないよ」いつの間にか二人とも裸で、彼は銀の包みから取り出したものを自身に被せ始めた。
私、とうとうしちゃうんだ。
こんな形で、処女を失うんだ。
最初で最後の、彼とのセックス。
絶対にばれちゃいけない嘘。
いいよね。今日は、エイプリルフールだから。