第12章 11月。
「圭二さん、ずっと一緒にいてね」
「もちろん」
白い歯を見せて圭二さんは頭を撫でてくれた。
「次は、足も縛っていい?」
一応遠慮がちに続けた彼を、横目で睨む。
「もうっ、調子のりすぎだよ」
「ごめん、だって、唯の淫乱な姿、めちゃめちゃ興奮するんだ」
そんなこと言われたら拒めないよ。
先行きはすこーし不安だけど、仕方ないから付き合ってみるか。
「じゃあ、今日の晩ご飯はお寿司が食べたい」
恥ずかしさをごまかしたくて意地悪を言ってみた。
「いいよ。もちろん、回らないやつね」
普段は主導権を握らせてくれるなら、エッチの時ぐらいは従順になってあげる。
こんな関係、ちょっといいかも……。