第12章 11月。
ヘッドレストに固定された手首は紐に食い込んで痛いし、手をつくこともできずに私は膝立ちにさせられた。
圭二さんが紐に手をかけたから外してくれるのかと思ったけれど、紐は背中できつく結ばれた。
肩をシートに押し付けたまま、お尻を高く上げた格好をとらされる。
こんな卑猥な姿を誰かに見られたらと思うと、一段と身体が疼いて脚を擦り合わせる。
「こんなに濡らして欲しがって、こんな場所ではしたない声を上げて、変態だな」
圭二さんが怒ったような低い声で言った後、右手を振り上げたのが視界の端に入った。
バシィンッ……パンッ、パンッ……
お尻が強く叩かれて、痛みが走った。
「いったっ……やだっ……いやっ……」
首を左右に振って抵抗する。
こんなに痛いの、嫌だよ……。