第11章 10月。
息が止まっちゃうんじゃないかと思うような情熱的なキスが始まって、息苦しさと痛みでわけがわからなくなった。
彼を喜ばせてあげたかったけど始めての私にはそんな余裕はなくて、彼の首にしがみついているだけだったけど、彼は私の中で可愛い声を上げて果てた。
「好き」
「俺の方が好き」
繋がりが解けても私は達也くんに抱きしめられている。
「trick or treat」
達也くんが照れ臭そうに耳元で囁く。
私お菓子なんて持ってない。
いたずらされちゃう……?
彼の指が胸の先端に触れて「あっ」って恥ずかしい声が出ちゃった。
「一晩中、いたずらしてもいい……?」
小さな子どもみたいに輝いた瞳。
可愛すぎて「いいよ」って言っちゃった。
彼のいたずらは全然可愛いものじゃなくて、結局後で後悔することになるんだけど……。
彼のいたずらなら、これからも全部受け入れてあげる、そう思った夜だった。