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とうらぶっ☆続

第2章 審神者見習い



「あ、そういえば主」

不意に、思い出したように燭台切光忠が男に呼びかけた。
男は箸を止め、先を促す。

「柚子ちゃんの部屋って結局どうなったの?」
「………あっ」

その言葉に、ようやく男は柚子を部屋へ案内していなかったことを思い出す。

「そうだ!俺案内してねーよな?うわー、ほんとごめん!」

やってしまった、女の子相手になんてことを!
男は罪悪感に駆られて、手を合わせて謝る。
それに柚子は首を振って、言葉を続けた。

「いえ、昨夜は鶴丸さんの部屋を貸して頂きましたので。ありがとうございました」
「おう、容易い御用さ」
「ほんっとごめん。後でちゃんと案内すんね」

柚子に謝りつつ、だから今朝起きた時鶴丸は俺の布団で寝てたのかと納得した。

「もー、主さんはすぐ酔うくせに加減もなしに呑むから」

乱藤四郎がお箸で里芋の煮っころがしをつつきながら言う。
その声に一期一振が頷いて同意した。

「女性が来ているからといって浮かれすぎですぞ」
「うっ、いやでも、それ俺だけじゃないし…」
「全く、見習いが来てる時くらいしゃんとしたらどうなんだい?」

言い訳がましくにっかり青江や蛍丸に視線をやれば、それに追い打ちをかけるように歌仙兼定がぴしゃりと言ってのけた。
味方はいないのか、と他に視線で助けを訴えるも、ふいと逸らされてしまう。
皆歌仙兼定や一期一振に怒られるのは御免ということらしい。

結局、かっこつけるどころかかっこ悪いところばかり見られながらも、本格的に見習い期間が始まった。

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