第4章 お友達って、
「…いないよ」
笑う。
笑えてる?
「、そうっすか!良かった!」
藤村くんが笑う。
笑えてたかな。
「変な藤村くん!」
うん、笑える。
でも何が『良かった』?
「今から飯食いに行こうぜー!俺終わってから何も食ってない!」
野森さんがすごいご飯食べたそうにしてる。
「いや~わたし学校あるんで!寝たい!」
「あ、じゃあ藤村、送ってやれよ」
ニヤニヤと井浦くんが言う。
またなんで藤村くん?
「え、あ、」
「うん?いや、自転車だし大丈夫だよ?」
じゃあね!とそれ以上何も言われないよう皆に挨拶をしてペダルを踏む。
朝早いので通りには誰もおらず、車もほとんど通ってない。
よし、渋谷さんのマンションに向かおう。
スクランブルダッシュで!
一応、時間は伝えてたけど…
こんな時間にインターフォン押していいのかな…?
いやでも早く押さないと余計遅くなるよね…
…
ピンポーン…
『…ん、はい…』
…!
寝起きだ…!
「あ、ごめんなさい、浪花です…」
『ん、ぁおはよ霄ちゃん』
と解錠してくれた。
「あ、ありがとうございます!」
うわぁ…すごい寝ぼけてる声やった!
申し訳なさすぎる!
ピロロン♪
?!
『鍵開けとくからそのまま入ってきてええで。入ったら鍵締めといてくれ』
確かにまたインターフォン押して開けてもらってたら渋谷さん的には手間だよねえ…
ゥィーン…
小走りで角部屋の808号室に向かう。
ガチャ…
「お、邪魔しまー…す…」
ほ、おぉ…初めて入った…