第7章 隠しきれない。
「うっ…歩きづらい…」
カランカラン
「綺麗ですねえー!」
前撮りの日、着付けされ、ヘアメイク等も施してもらい、美容室の横にある、カメラスタジオに向かう。
派手には見えぬようなラメが織り込まれていて、柄も全部が大きいものではなく、大きい柄と小さい柄がバランスよく入っている。全体的に和柄で統一されている。
髪は上げずにおしとやかめに編み込み、下の方でまとめてもらった。
両側に高さをずらして大きい飾りと小さい飾りをつけてもらった。
普段使わないような筋肉が震える角度の姿勢。
筋肉が、ぷるぷるする…!
頭の端で「あぁ、すばるさんも撮影の時こんな感じかな。あ、でも自然体な写真とか多いからそんなことないか…」なんて考えながら我慢する。
「はい、じゃあちょっと休憩しようか〜」
疲れたでしょー?と言いながら椅子へ案内してくれる。
「すごい顔疲れてる」
お母さんが笑いながら付き添ってくれる。
「お、お腹の筋肉が、ぷるぷるしてる…」
撮影が終わり、家に帰る。
着物を脱いだり、髪型を崩すのは自分たちで。
の、前に
ケータイで写真を撮ってもらう。
「お母さん達、撮るの下手くそだからなぁ〜」
自分でも鏡の前に立って撮る。
一通り撮り終わると、
『写真』
とすばるさんから一言メッセージが来た。
…前撮りの日にち、覚えてたんですね…
普通、忘れてそうだよね…?こんなことまで覚えてもらえてると自惚れちゃう。
そんなことを考えながら、撮った写真を送った。
「!!!」
今日が前撮りの日だと思い出してスタジオリハーサルの休憩中にメッセージを送った。
するとすぐに写真が送られてきた。
(むっちゃ綺麗や…)
やはりあどけなさは残っているものの、
普段より幾分大人びて見える。
いつもしていない化粧もされている。
…ほんま…女ん子って化けるというか…
丸「あらっ!」
すぐ後ろでマルが声を上げる。
丸「みーちゃった!」
オネエの仕草で口元を手で隠す。
安「なになにー??」
ぴょこぴょこと跳ねるようにヤスまで近づいてくる。
「…勝手に見んなや!」
ケータイの画面を手で覆い隠す。
丸「ちらっとやけどあれは多分浪花ちゃんやわぁ〜〜」
そんな俺に構うことなくマルが続ける。