第7章 隠しきれない。
「えっ」
霄ちゃんが驚いた顔をする。
昨日は学校もバイトも休んだっていう連絡が来た。
けど今日は、何の連絡も来ていなかった。
俺のことを心配性だと言ってから、霄ちゃんは隠し事をするようになった。
主に俺が心配することに関して。
だから今日連絡なかったってことはイコール学校行ったってことだろうと思った。
バイトについては賭けな部分もあったけどシフトの日数多いから入ってそうやなーって。
ほしたらビンゴ。
「アザ、なっとるやん。濃いいの。」
一昨日は長袖で気づかなかったけど、
見えないところにまだアザはあるだろう。
「…でも動けますし…」
そう言いながらカレーを前から寄越してきた。
「動けるとか…」
「一般人だって忙しいんです」
は?
「何、それ」
まずいっ!という顔になって霄ちゃんが焦り出す。
「いや、あの、一般職も休めないんですよ〜っていう!」
「…」
久しぶりに、いや、初めて、
霄ちゃんに芸能人扱いされた気がする。
「ご、ごめんなさい…嫌な言い方でしたよね…」
完璧怒ってると思ったらしく、切ない顔をする。
そんな顔させたかったわけやない
「や、俺がちゃんとわかってなかったからやん。
ええから。バイト、21時までやろ?送る」
「いやいや!」
「絶対駅まで送る。送らせな怒るからな」
何が何でもというのが伝わったのか
「はい…」と小さく返事をした。
「ありがとうございます。」
「おん。ほんまは家まで送りたいんやけどなぁ」
申し訳なさそうにすばるさんが笑う。
「いやいや!家が近くても遠くてもそこまでしてもらうわけには…!」
「…霄ちゃんが隠し事するから余計心配なんねん。」
うっ
「まぁ…確かに…隠し事しましたけど…」
知られなかったら心配させないかなって思うじゃん…
「ほんとになんでそんなに心配性なんですか…?
女友達さんみんなにしてると疲れません??」
素朴な疑問。
すばるさんの魅力は言わずもがなでしょ?
いくら人見知りとはいえ、妙子さんも言うほどやんちゃしてた時もあるって言ってたし。
女友達さんは少なくないでしょう?
「女友達自体おらんし。言うたやろ、心配性なるんは霄ちゃんだけやって。」
う、そ、