第2章 〜Rute 越前リョーマ〜
目が覚めると、すぐ側に人の温もりがあって。
胸を疼かせる彼の寝顔がある。
そっと抱きついてみると、抱き締め返してくれて。
「ん…?」
「起きちゃったの」
もう直ぐ学校。
起きなきゃいけないのはわかってるけど、まだ、離れたく無い。
「そんな事してるとまた襲うよ?」
耳元で囁かれる言葉に、それでもいいと思ってしまう私はもう末期なんだろうか。
「学校は?」
「偶には休んでも良いんじゃない」
さらりとそんな事を言う彼は、元々遅刻魔だし、サボリ魔だ。
そんな彼に軽く感化されてきている私がいて。
「ん。じゃあもうちょっと寝よ?」
その誘いを、違う意味に受け取った彼に、再び襲われたのは言うまでも無く。
「ねぇ、。俺さ」
「うん」
「この夏の試合終わったらプロになるから。誰にも負けないから。だから、ずっと側にいてよ」
凄く不安そうに恥ずかしそうに告げるリョーマに愛しさが込み上げてぎゅうっと抱き着く。
「うん、私も。プロになろうかな。リョーマと一緒に」