第9章 赤葦と日曜の夜
「おやすみ、けいくん」
「うん、おやすみ すいれん」
「ちゅー?」
「えー」
「えーー」
「どうしても?」
「どうしても!」
「……」
「………」
チュッ
「はい、おしまい」
「もっとー」
「コレヨリ先 立チ入リヲ禁ジル」
「拒否します!」
「ジタバタしないの すいれん、せっかくの熱が逃げる」
「拒否します!」
「あした、髪乾かしてあげないよ」
ピタッ
「それはダメですごめんなさい」
「ならよし」
「 すいれん、?」
「ん、んんぅ………」
「寝た、か…」
おやすみ。
今日もよくがんばったね。
さらさらの髪を梳いてそう口にした。
「さ、あしたもがんばろ。」
つぎの休みは、 すいれんをどこに連れて行こうか。