第1章 出発点
広く大きな海に浮かぶ小さな島
絶海の孤島
立ち入るものは、二度と生きて出ることができないと呼ばれる島
かつてジュエリーの島と謳われた島
だが今はこう呼ばれている
<死をも呑み込む島>と・・・
島の名はミスティヘイズ(霧と霞)
島のあちこちに宝石の宝飾が残っている
ある池の底にも、宝石の像が沈んでいる
まるで、苦しむような表情で、命乞いするような体勢で
嘗ては、息をしていた人間だった
ある力で宝石にされた
宝石を欲して宝石にされた憐れな像
この島に、いた人々は何年も前に滅亡した
海賊により
たった一人を残して・・・
―おいでなさい、望みを叶えてあげる―