第9章 沖田総司の愛憐
壁に背中を預け腰を下ろした僕の膝の上では、彼女が赤ん坊のように身体を丸めて僕にしがみ付いている。
僕はその壊れてしまいそうな華奢な身体をずっと擦り続けていた。
一君と平助が出て行った後、僕は再び彼女を抱いた。
身体中に舌を這わせ、ついさっきまで一君が入っていた場所に僕を捩じ込み、彼女が赦しを乞う程に荒々しく突き上げ、そしてその中で果てたんだ。
三人の男の下衆な欲望を全身で受け止めた彼女の身体はもうぼろぼろだった。
それでも僕が果てる瞬間には気丈に微笑んでくれた。
このままこの娘を僕だけの物にしたい。
一君や平助を煽って散々彼女を汚した癖に矛盾してるのは分かってる。
それでも僕はこの娘が欲しいんだ。
だけど……じゃあどうすれば良いのか見当も付かないし、大体そんな事を土方さんが許してくれる筈無いだろう。
考えても先が見えない虚しさに、僕は今更根本的な疑問を口にした。
「君は………誰?
ねえ……
どうして僕に抱かれているの?」
顔を上げ僕を見つめる彼女の瞳が困ったように揺れている。
「やっぱり答えられない……か。」
僕は彼女の頬をゆっくりと撫でた。
「君を解放してあげなきゃね。
何時までも此処に置いておく訳にはいかない。
きっと土方さんももう諦めてると………」
「喋らなければ此処に居られるんじゃないの?」
僕の言葉を遮って唐突に紡がれた彼女の声に僕は心底驚いた。