第7章 僕達の譫妄
腰を下ろして片膝を立てた僕の目の前では、一君と彼女の目合いが延々と展開されている。
羞恥や罪悪という規範の箍が外れた一君は、僕の存在など忘れたように夢中で彼女を求め続けた。
彼女に触れる前から膨張していた牡茎を早々に埋め込むと、何度も体位を変えて彼女を激しく突き上げている。
今は膝立ちになり、四つん這いにさせた彼女を後ろから責めている真っ最中だ。
僕は彼女に告げた通り、その一挙一動を漏らさず見つめていた。
ああ……また出血しちゃったんだ。
一君は気付いているのかいないのか、二人の繋がっている部分が紅く濡れている。
彼女はどうやら毎回、これが初めてなんだというように血を流す。
『貴方が初めてなのだ』と『この女を破瓜させたのは俺だ』と……
男の愚かな独占欲を巧妙に煽るんだ。
狡いよね、それは。
でも僕だってそんな手管に囚われてしまっている。
「一君……気持ち良さそうだね。」
僕の言葉など今の一君には届いていないようだ。
彼女の腰を掴んで、変わらず力強く突き上げ続けている。
………うん、分かるよ。
この娘の中は信じられない位に具合が良いからね。
まるで牡茎が溶かされるような感覚に陥って、果てるまで絶対に止められない。
だけど……そろそろ僕だって限界だ。