第7章 僕達の譫妄
「ちゃんと帯も用意したよ。
紺藍の浴衣に合うように雌黄を選んだんだけど……」
僕は手に持っていた帯を乱雑に投げ棄てた。
ばさりと音を発てて床に落ちた帯が、一君の足元に拡がる。
「帯は……要らないね。」
浴衣を羽織っているだけの彼女を立たせると背中を柱に押し付け、剥き出しの乳房を強調させるようその上下に手首を拘束していた荒縄を巻いて身体を柱に固定した。
僕がそんな事をしている間も彼女は何故か嫌がる素振りも見せず、僕にされるがままになっている。
「僕以外の男に身体を触れさせたんだから
お仕置きしないとね。」
躊躇無く彼女の股間に手を差し込み秘裂を擽った。
「ねえ、ここ……どうして濡れてるの?
一君に乗られて興奮しちゃった?
それとも、僕に縛られて興奮してるのかなぁ?」
彼女の顔を覗き込みながら膣内に指を二本突き立て、ぐちゅぐちゅ…と態と大きな音が出るように掻き回すと彼女の膝が細かく震え出す。
「……んっ……ふ……っ…」
快楽を耐えるように眉をひそめ、甘い吐息を漏らす彼女の姿態に僕は酷く興奮してしまう。
「…………止めろ、総司。」
僕の下劣な行為を立ち尽くしたまま無言で見ていた一君が、遂に耐え切れなくなったのか震える声で牽制した。
「止めろ?
可笑しな事を言うんだね、一君。
本当ならこれは一君がするべき行為じゃないの?」
僕は一層激しく彼女の中を掻き回し、淫靡な水音を一君に聞かせる。
「ほら、一君。
早く詰問しなよ。
今ならこの娘、喋るかもしれないよ。
ほら……一君!…………ほら、早く!!」
「止めてくれっ!」
そう叫んだ一君の顔が悲痛に歪んでいた。