第1章 現実逃避否リアルで逃避
「………ん」
心地よい風がフワリと頬を撫でる。
ウフフ、気持ちいいなぁ……。
空も青いし…青…い、し…。
「はぁっ!?」
ここはどこ!?
私はついさっきまで数学をやっていた筈だ。
「あぁ…数学教師の頭が淋しいよ」とか言いながら。
その証拠に右手にはシャープペンシルを持っていた。
これで何をしろと…………?
これで生きろと!シャーペンで生きろと言うのか!
「そんな事言ってないですよ」
あぁヤバイかもしれない。
幻聴まで聞こえてきた。
いっそ……シャーペンで自殺するか……!?
そんなの嫌だぁっ!
「私だってそんなの困ります」
というかついさっきから話しかけられているような気がする。
だから振り替えってみたのだが……。
「私は何も見ていない」
「えっ、妃那さん!?」
「私は何も見てないんだァァァァァ!!」
現実逃避ですよ、解ってます。
だけどコレは流石に無理、受け入れられない。無理無理。
だって…ねぇ?
__ばっさばさの神様が居たんだもの