第2章 おまけ
これは夢だ。悪夢だ。
そうに決まってる。
せっかく憧れのマイスウィートヒーロー木兎先輩とお近付きになれたのに。まさか、あの赤葦先輩と主従契約を結ばさせられるなんて。しかも肉体。オンリーセックス。
もはや性奴隷だ。興奮する。
(……って、違う!そうじゃない!)
俺は元来男に掘られる趣味はない。ないんだ。木兎先輩には抱かれてみたいけど。
そう。木兎先輩だけなのだ。
さっきは確かに勃っちゃったけど、あれは赤葦先輩がイケメンすぎたから悪い。謂わば不可抗力だ。うむ。
その証拠にほら、エロ本読めば今だって女でちゃんと、ちゃんと──
(勃たねえええ!嘘だろおおお!!!)
駅前の本屋。エロ本コーナー。
ひとり悶々と女の裸を見つめる俺、櫻田、16歳。新たな性活への扉を開けました。なう。
(いやいやいや!ない!絶対ない!)
いくら否定しても、もはや、疑いようもない事実。開発完了されました。赤葦先輩に。
涙目で飛びだそうとする本屋。
目に留まったのは、店頭に並べられた月バリだった。
自然と手が伸びる。
今月は木兎先輩の記事が掲載されているのだ。既に三冊持ってるけど、今すぐ彼のブリリアントスマイルに癒されたい。
しかし、俺が手に取ったのは先月号の月バリで──
(あれ、おかしいな……東北特集? 及川徹……ふうん、イケメンじゃん。でもあれだな。俺はこっちの、岩泉さんっていう副主将のほうがタイプ…………ってこれじゃ俺まるでガチホモじゃねえかァァァァ!!!)
▼主人公
梟谷学園高校 1年4組
バレーボール部(仮)
ポジション:まだない
身長:175.6cm 体重:60.2kg
(高校1年現在)
誕生日:5月28日
好物:木兎先輩
最近の悩み:
綺麗系より男前系に
興奮してしまうこと
おまけ【 了 / 次 】あとがき