第1章 異世界に飛ぶ
ある日、男が1人、公園で寝ていた。
「あ〜暇だ~」
俺はそんなことを言いながら、ベンチの上で寝転んでいた。
あ〜、言い忘れていたが、俺の名前は辰巳麒麟(たつみきりん)。平凡な男です!
そんなことはどうでもいいが……
そうこうしている間に、深い眠りについた。そして、目が覚めると……わけのわからない場所で寝ていた。
「あ……れ? ここ、どこ?」
そう言って、俺は周りを見渡した。
「さっきまで公園のベンチの上で寝ていたのに……ここはどこだ?」
俺は自分の記憶を辿りながら考え出した。
すると、いきなり人が現れた。
「誰?」
現れたのは女の子だった。
お互い、顔を見た瞬間、女の子の方がいきなり弓を構えだした。
俺は驚いた。おい、待て。何で訳のわからん所に来て、殺されなければいけないんだ!
「お前、どこから来た?」
女の子は聞いてきた。
「日本から来ました!」
俺は元気に大声で言った。
その大声にびっくりした女の子は弓を離してしまった。
放たれた弓矢は俺に向かって来る。
ヤベェ! とっさに俺はしゃがみこんだ。
放たれた弓矢は木に突き刺さっていた。
「ふぅ~」
俺は息を吐いて、女の子を見た。
「なぜよけれた?」
女の子は不思議そうに聞いてきた。
「え? 適当に避けてみた?」
俺はニカッと笑った。
「……」
「?」
女の子は黙ってしまった。
「私は……こんなやつに……」
女の子はぶつぶつ言いながら、凹んでいた。
「あのー」
「なんだ?」
「ここどこですか?」
「……は?」
女の子は驚いた顔をした。
「お前……ここがどこだか知らないのか?」
「はい」
「……ここは未開の森だ」
「え? いやいや、この世界はどこですかってことですよ?」
女の子は瞬きをした。
「あ〜、この世界のことか! それを早く言え! この世界は時をかける世界、ルールブックワールドだ!」
「……」
どうやら、俺は完全な異世界に来てしまったらしい……