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キミ日和

第4章 【ウイルス日和】黄瀬涼太




「璃音っち、怠くて死にそうッス~・・・」
「はいはい、大丈夫よ、たかだか37度5分で大袈裟なんだから!」


一週間後、すっかり体調がよくなった私は、入れ違いで具合が悪くなった涼太の部屋に来ていた。


「璃音っち、酷いッス・・・」


そう言ってまた叱られたワンコのようにシュンと落ち込む涼太に、だいたい、自業自得でしょ、すぐ帰ってって言ったのに、そう言ってため息をついて首を横に振る。


「璃音っちが冷たい・・・」
「当たり前でしょ!バスケ部のみんなやお仕事の関係者にどれだけ迷惑かけると思ってるの!」


「それは分かってるスよ?でも璃音っちが心配だったんス。」
「私情でチームに迷惑かけるなんてプロ失格!」


いつも厳しい璃音っちがますます怖いッス、なんて肩を落とす涼太が可愛くて、何言ってるの、お粥、作ってあげたじゃない、そう言ってふふっと頬をゆるませる。


「でも『あーん』、してくれなかったッス・・・璃音っちの時はやってあげたのに・・・」
「それはひとりで食べれるって言ったのに、涼太がしたがったからでしょ!」


肩を落としながらブツブツ不満を口にする涼太を微笑ましく思いながら、ほらほら、少し寝なさい、寝ると身体が楽になるから、なんて言って布団をかけ直す。


璃音っち、オカーサンみたいッスね、なんて言って大きな欠伸をする涼太に、こんな大きな子を産んだ覚えはありません!、そう言ってクスクス笑うと、そっとそのサラサラの髪を撫でる。


「ほら、起きるまでこうして一緒にいてあげるから・・・ね?」
「・・・絶対ッス・・・よ?・・・約束・・・ッス・・・」
「ん、約束・・・おやすみなさい。」


程なくして穏やかな寝息を立て始めた涼太に、今度は私がそっと唇を重ねる。
涼太、大好き、早く良くなってね・・・そっと呟いてまたその髪を撫でた。





【ウイルス日和】黄瀬涼太
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