第1章 メリークリスマス...N
「クリスマス、
一緒に過ごしてくれませんか?」
ときくと泣きながら俺の
腕の中でコクコクと頷く
自然に笑みがこぼれた
「ありがとう」
そういうと腕を緩めて
泣いている真由に
そっとキスをした
いつもの道を逆向きに
手をつないで歩く
今日は俺ん家のクリスマスに
誘った
照れながらにこにこしている
真由が話し始めた
『私、お母さんに
どうせ一緒に過ごす人もいない
んだろうしお正月帰る予定なんだから
クリスマスにもう帰ってきなさいって
言われて実家に戻ろうとしてたんです』
「え?
遠くに行くんじゃなくて?」
『遠く?
お隣の県ですよ』
そのときはじめて
母に騙されたと理解した