第2章 〜天賦〜
朝食の後、白哉と共に六番隊の隊主室に来ると、赤い髪を束ねた変な眉の男が居た。
「おはようございます、朽木隊長。…と、誰っスか?」
「…私は瑞稀玲。おはよ、阿散井副隊長」
「何で俺の事…つか、副隊長って分かっててその口調かよ…」
「白哉と普通に話すのに、副隊長には敬語が要るの?」
問うと、彼の顔が真っ青になった。
「…なっ…お前!選りに選って朽木隊長を…」
「構わぬ。私が許した。仕事に戻れ、恋次」
掴みかからんばかりに迫る彼を、白哉が制する。
「許したって…」
信じられない物を見るような目を向けられて、私は苦笑する。
「朝ね…「玲。余計な事は言うな」
阿散井の耳元で呼び捨て迄の過程を小声で話そうとするも、気付いた彼に止められる。
反応速度を見るに、余程話されたくないらしい。
「…はぁい」
大人しく白哉の元に近寄ると、彼は執務机の前に座った。