第5章 〜遊戯〜
「ほう、それが天照か」
「お爺ちゃん、被害拡大したらどうするのよ」
「何とかするのじゃろう?」
「わぁ、鬼畜」
人任せな元流斎に呆れ、青く輝く天照を振るう。
太刀筋から溢れた水流が、巨大な狼の形を成して元流斎に襲い掛かった。
「その水はお主の霊圧が成す技か?」
水狼を灼熱の刃で斬り裂いて、彼は問う。
この程度じゃ当然かと、息を零しながら玲は答えた。
「天照の力は創造。水も炎も雷も。彼女にとっては創造物よ」
「つまり、それも創造の産物か。ならば此奴の領域内で対極の力も使い得る」
納得した様に頷いた元流斎は、その目をすっと開いた。
「じゃが、此奴の切れ味に耐え切れるかのぉ」
「子が親を斬るにはまだ早いわね」
「戯言を」
瞬間、灼熱と水流がぶつかり合った。