第1章 喪失
焦らすように周囲を指先で辿っては、時おり中心の敏感な突起部分へと触れる。胸も大きな手にスッポリと包み込まれて絶妙な強さで揉まれて気紛れに乳首を摘ままれる。視界が布で覆われているせいかやけにその部分に意識が集中してしまって、感じたくないのに勝手に体が跳ねてしまう。
「んっ、く、ふ…」
いつの間にか言い合っていた男の人達の会話も静かになり、ただクチュクチュと濡れた音と自分の息遣いと苦し気なくぐもったが声が響いて恥ずかしい。
「うっ、んんッ」
執拗に敏感な部分に触れられて、香油とは違う自分の密が滲み出ているのがわかる。香油より滑りがよくてヌルヌルとしている感触。その滑りを借りて男の人が私の下部の小さな突起を指の腹で擦る速度を早めた。
「んっ、んっ、ぁ、やぇ、やぇえ…」
やめてと言いたいのに覆われた布で言葉にならない。
駄目だ、このままじゃ…我慢できないよ!
駄目、駄目、だめぇ!
ビクン、と体が跳ねた。
次いで波のように打ち寄せてくる大きな快感に体を強張らせ、そのままビクビクと何度か体を震わせた。
「ぅん!ふっ…ふぅ、ふぅ、ふぅ…」
私は男の人の手で達してしまった。
情けなさと悔しさに涙が溢れる。もう私の目を覆っている布は涙で濡れていて、口の布も涎でドロドロだった。
達した余韻で体の力が抜けて背後の男の人にもたれ掛かる。その人はまるで私を褒めているのか慰めているのか、私の髪に優しく何度も唇を押し当てている。
「……ヤバイです」
私の下部に触れていた男がそんな事を口にした。心なしか先程より呼吸が荒くなっていて興奮しているみたい。
「ヤバイって、何、が…げっ?!」
背後の男の人が驚いた様な焦った声を上げた。
「お、お前、そ、それ…」
「だ、だって仕方が無いじゃないですか!思ったより…かわ、ぃくて…そ、その…」
二人が慌てている。
「き、気持ちはわかるけどな、そんなのあいつに見られたら…」
「見られたら…何です?」
気配は感じなかった。急に低く地を這うような、とっても不機嫌そうな声が聞こえたかと思うとガッと大きな音がした。
その後に何か大きなものが地面へと落ちる音。それと同時に私の前に居た男の人の気配が無くなった。