第1章 めりぃ・くりすます【うちはサスケ】
欲を出したオレは、
二度絶頂に達してぐったりと横になる夢美の額にキスを落とし、そっと抱き寄せた。
「……伝わった…かなぁ」
オレの腕の中で、彼女はポツリとそう呟く。
「ん?なにがだ?」
「だから…特別なクリスマスの行事なんでしょ?その…神様に愛を誓う…的な?」
…………あ。
そういやそんなデマカセ言って始めたんだったな
「だからその……神様がもしいるなら、私達の愛情伝わったかなぁ…って…思ってさ」
照れ隠しからか、顔を隠すようにオレの胸に顔を埋めた夢美の柔らかい髪を優しく撫でながら
「…あれだけ愛し合えば、伝わったと思うぜ」
そう答えた。
愛してるよと耳元で囁くと、夢美は嬉しそうに微笑んだ。
結局、クリスマスとやらについてテキトーに物を言ったことは夢美には黙っていた。
信じているならそれでも良しと思ったから。
……いや。
本当は言ったら「そんな嘘つくなんて!」と怒った挙句しばらくはセックスもさせてはくれないだろうと思ったからだ。
まぁ、クリスマスのことを知る者などそうそう現れないだろうし、真実は闇の中。
別に誰に被害が及ぶでもなし、夢美が傷つくでもなし。
夢美もそのうち忘れるだろう。
ーーーと、呑気に思っていたのだが。
「ねぇ、クリスマスの日に子供にプレゼントを配るおじいさんって、神様の化身なのかしら?」
「いるみねーしょんっていうのは?神様に居場所を知らせる為のもの?」
「そもそも神様に報告ってどうするの?空から見てるのかな?」
いつの間にやら木ノ葉の女子達の間で、そんなクリスマスに関する間違った情報の憶測が飛び交っていて、
サスケくんなら知ってるって!と噂が広まっていて質問攻めを受けたとき…
「口から出まかせ、よくない」
ということ、オレは思い知ることになったのだった。
【終】