第1章 Ωとα
この世に運命があるなら俺は自分の運命を呪う
βとして普通の生活を望んでいた俺
そんな願いは打ち砕かれた
俺の性別はΩこの世界では最下層
発情の恐怖
強姦の恐怖
さまざまなものが付きまとう
それでも生きねばならないなら生きる
いつものように家を出た俺
部活の朝練
雷門高校にはΩが四人
でもこいつらには番がいる
佐久間先輩おはよう
べし
いったーいきなりないすんのさ剣城
天馬お前はまともに挨拶もできないのか
そうだよ天馬君
狩屋猫かぶるのやめろ
酷いな霧野
朝から騒がしいな
そう言う円堂くんもでしょ
ばれたか
そう
さっきからいろいろとふざけている
霧野、円堂、松風も俺と同じΩ
そして一緒にいる剣城、狩屋、基山こそがあいつらの番であるα
ところで佐久間くん鬼道君が探してたよ
ありがとう基山いないって言っといて
それじゃ
また
俺は走って逃げるように部室を後にした
鬼道有人
俺の知り合いでα
統合前の帝国学園サッカー部キャプテン
しかもαの中でも希少種のSランク
俺に番になるように言ってきている
たしかに鬼道さんは好きだでもあの人と一緒にはなれない
おはよう
あっ鬼道先輩おはようございます
ヒロト、佐久間は?
ついさっい出て行ったよ
ダダダダっ。ハァハァハァここまでくれば大丈夫
おはよ佐久間君
不動
こいつは不動明王一様β俺の友人といえば友人
鬼道ちゃんから逃げてきたの
そうだよ
俺はあの人といちゃいけない存在だから