第3章 売られた喧嘩は買う主義なの!
その日の2時間目。私はぼーっと外を見ていると、すごい砂埃が立ち込めているのに気づいた。きっと十四松兄だな。
「………あ!!」
十四松兄がこけた!!しかもこの間よりダイナミックに!?
「ど、どうした!?松野妹!」
「……………先生ちょっと……ほ……保健室に……」
ううっ。チョロ松兄さんの目線が痛い。だけど私は行かねばならぬのよ!
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一「……………十四松」
十「……………………なぁにー?」
一「…いやだから服脱がないと血でてるよ」
十「……………………大丈夫!!!!」
一「…いやそれ大丈夫って感じじゃ…」
『十兄いいいいいいいい!!!!!』
ドアを開けると、十四松兄さんが泣きそうな顔をしていた。
『十兄!?大丈夫!?痛い?』
十「……………あや子」
一「あーあ。また来てるし」
『だって心配なんだもん。それで一兄!どう?怪我の具合!』
一「…十四松が服脱いでくれないから分からないけど結構ひどいと思う」
『今までで最大のこけ方だったから…。十兄、大丈…じゃない!?血が出てるよ。ちょっ!十兄服脱ご!』
十「…………………………………………大丈夫」
にこっと私達に笑いかけて保健室を飛び出した十兄。
『十兄!?ちょっとま……!?』
一「…………………気づいた?」
どうやら一兄は最初から勘づいていたようだ。
『……………うん』
十四松兄が飛び出す直前に見えたお腹。そこには痛々しいほど青い痣があった。
一「……十四松が最近変だったのはあれか。」
『……………』
一「……転ぶ前の走り方もおかしかったんだよね。それにいつもの十四松より走るの遅かったし。」
『……………あれしたの……誰だろう。』
一「…………さあ。……まぁ、誰だったとしても………」
………絶対許せない。