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炎の月に架かる虹【ONE PIECE】

第1章 プロローグ~もう二度と繰り返さない


「何故だ・・・」
「何故?分からないの!?」
「お姉様。」


ラーラは血の付いた剣を下ろした。
頬は返り血で濡れている。


「まだ分からないのね!私たちは消えるべきなのよ!!!」
「生きなくてはならない!我々の血は途絶えてはならな・・・」


グサッ・・・

鈍い音と共に父親が倒れた。
ラーラは冷ややかに見下した。


「お父様!!!」
「やめなさい!ラーラ!!」
「うるさい。」


ラーラは座り込んで震える妹に剣を振り下ろした。
同じ銀色の髪がパサッと切断されて、妹も事切れた。
ラーラは母親に向き直った。


「何故私を産んだ。」
「・・・おやめ。」
「こんな運命背負うくらいなら生まれてこなければよかったのよ!!」
「やめろラーラ!それ以上何もするな!」
「あぁぁ!!私は哀れよ!!こんな一族に生まれたからこんなことに。」


ラーラははめていた手袋を外して兄に触れた。
兄はもがき苦しみだした。
一族の力・・・。
素手で触れたものを破壊してしまう。
それは制御できない。
一族の誰もが手袋をはめて一生を過ごす。


「アラン!!もうやめて!ラーラ!!」
「一族が滅びるまでやめるわけない。」
「お願いよ・・・。」
「ううん。私はやらなきゃいけない。もうこんなこと二度と起こらないようにするの。」
「いやっ!来ないで!!」


兄の声がプツンと切れた。
ラーラはその手で母に触れた。
母も床を転げまわって苦しんだ末に息絶えた。


「まだ残ってるわ。終わらせないとまた・・・。」


犠牲者が出る。
世界が壊れてしまう。
繰り返さないためにもここで一族は絶えよう。
























たった一日で、一族は滅びた。


一族は永久に葬られるはずだった・・・。
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