第6章 ウェディングブーケ
『ちょっと、及川!
練習以外の時間を全部、
女遊びにあてるの、やめてくんない?
バレー選手のイメージを損なうような
ことされちゃ、困るんだけど。』
『やだなぁ、早瀬女史、怖い顔しないでよ。
せっかくの美人が台無し!』
『私の仕事は、全日本のイメージアップ。
スキャンダルの処理なんかしないからね!』
『でも、しょうがないじゃーん。
女の子に優しくしてあげた方が、
ファンも増えるし、
バレー人気の為にもなるじゃん。』
『あのね、本気で優しくすんならいいわよ?
でも及川のは、
日替わり定食みたいにコロコロ変わるんだから。
ファンになるどころか、却って恨まれるでしょ!』
『日替わり定食って、例えが古~い(笑)』
『黙れ、この、女たらし!
とにかく、彼女以外の女性とは
食事に行くくらいでやめといてくれる?』
『俺は"みんなの及川さん"だから、
特定の彼女なんか、作らないよ。
それに、食事だけなんて、
楽しくもなんともないじゃん。
せっかく下着までオシャレしてきてくれる
レディたちの期待を裏切るなんて、
男のやることじゃないね。』
『(怒)あんたって人は…
本気ならともかく、遊びで妊娠なんかさせたら
バレーどころの話じゃなくなるのよ!』
『…ねぇ、早瀬女史。
あのさ、俺って、顔がいいのと
バレーがうまいのだけが取り柄じゃん。』
『そうね、その通り。』
『ムム…ま、いいや。
俺は今んとこ、女性を一人に決める気はない。
だけど、バレーが出来なくなるのは困る。
でもって、健康体の20代男性。
溜まるもんは溜まります。
そういう時は、どーしたらいいの?』
『…私に聞かれても困るけど。』
『じゃあさ、こういうのは、どう?』