第20章 未来への扉
梟谷の木葉君の披露宴が終わった。
営業担当の俺と
プランナーを担当した
俺の同期の早瀬で見送り、
二人で片付けに戻る。
早瀬の手には、
エリさんからもらった香水の瓶。
『大事なもんだろ?
デスクに置いてこいよ。』
『そうだね、すぐ戻るから!』
…結婚どころか
彼氏もいねーはずなのに、
なんだよ、
仕事の時には見せねーような、
すっげー、嬉しそうな顔、しやがって。
この仕事を始めて、思った。
結婚式って、
男にとっては"儀式"だけど
女にとっては"夢"だ。
俺もいつか、
彼女に、
あんな幸せな顔をさせてやれる
男になりたい。
…そう思ってきたはずなのに。
最近、
彼女の笑顔を見ていない。
笑顔どころか、
怒った顔も
泣いた顔も。
最後に見たのは、
傷付いた顔、だった。
俺には彼女しかいない、
そう思ってたのに。
俺 夜久衛輔、
ただいま絶賛?!
人生、停滞中。