第19章 Marry me !!
エリさんが、何か、
荷物のなかから取り出して。
『はい、コレ。
使いかけで申し訳ないけど、
プレゼントさせて。』
…手渡されたのは、
薄紫色のオシャレな瓶…香水?
『恋の魔法をかけてくれる、香水。
ホントに大好きな人の前じゃないと
つけちゃダメよ!だって…』
エリさんが指差した瓶には
"Marry me!"の文字。
『これ…』
パチンと音がしそうな大きな瞳で
ウインクをしてくれたエリさん。
『私はこれつけて
秋紀のプロポーズをゲット。
今度は早瀬さんが幸せ、掴まえて!』
エリさん。
こんなに魅力的なのに、
こんなに積極的なのに、
プロポーズは香水に託す…なんて。
もう、
かわいくて
おちゃめで
なんてステキ!
『エリさん…』
『早瀬ちゃん、男、欲しー時は、相談して!
合コン、セッティングするしっっ。』
『光太郎!!』
『いやいやアッキー、誤解だよ、誤解(汗)
俺は合コンには出ねーから!』
『そんなことじゃなくて(笑)
大きなお世話だってこと!』
『そっか?合コン、手っ取り早くない?』
『だーいじょうぶ、早瀬さん。
私達、見てよ。
みんな、予想もしないところで出会って
思いもしない展開で結婚してるから。
泣いたり笑ったりするくらいの方が、
恋してる~、って実感があって楽しいよ。
ね、そう思わない?!』
ニコニコと頷く、
エリさんと小春さん。
そして、
そんな奥様達を
優しい笑顔で見守る男性3人。
『エリさん、大事に使わせて頂きます!』
あぁ、
この人たちの幸せに立ち会えて、
本当に、よかった。
『それじゃ、またな!』
…会場を後にされる6人。
『皆さん、お幸せに!』
『元気な赤ちゃん、産んで下さいね!』
私と夜久君は、
タクシーが見えなくなるまで
手を振り続けました。
『…どうやったらあんなに
わかりあえるんだろ…』
…ボソッとこぼれた夜久君の言葉。
それはケンカ中の彼女のこと?
なら、聴こえないふりしてあげる(笑)
とにもかくにも、
木葉 秋紀様、エリ様、
おめでとうございます。
そして木兎様ご夫妻、
赤葦様、小春さんも。
どうぞ
末永く
仲良く、
お幸せに!!