第19章 Marry me !!
それにしても。
いつも俺が暮らしている普通のリビングが、
たくさんの花と写真と、
ウェディングドレスの美人二人と
華やかなニーサンネーサン(笑)で
立派なパーティー会場に見えるから
不思議なものだ。
みんな、勝手気ままに
飲んだり食べたり喋ったり楽しんでいて、
『あぁ、このソファ。』
赤葦が、懐かしそうに言う。
そっか、赤葦、このソファで
小春ちゃんに膝枕してもらうのが好きだった。
『小春、久しぶりに、いい?』
ニッコリ笑う小春ちゃん。
ウェディングドレスのお姫様が
タキシード姿の王子様に、膝枕。
『なんだよ、お前ら。
ディズニープリンセスか?!』
王子様とお姫様。
…悔しいくらい、絵になる。
『秋紀、私も~!』
…俺の姫が、
首筋に抱きついてキスをしてくる。
キスが大好きなエリ。
いつものことだから俺らは慣れてるんだけど、
『ちょっとぉ、
あっちもこっちも仲良すぎ!
コノハちゃ~ん、あたし達も~っ!』
『ヤダ!俺は女としかキスしないっ!』
『ケチ!幸せはお裾分けするもんでしょ!』
『エリちゃぁん、ダメ?』
『うーん、今日は特別!
お店閉めてまで来てくれたお礼に、
秋紀、貸し出しちゃおっかな?』
『おいおいおい、エリっっっ!』
『エリちゃーん、アリガトっ!』
『さぁっ!コーノーハーちゃぁんっ!』
ぶちゅ~っ❤❤❤
『や、やめろーっっ!』
ワハハハハ…
『おいアッキー、写真とっとけ、写真!』
『は?木兎、何言ってんだよ、やめろ!』
『んふふっ❤
これでエリちゃんとも間接キスだわっ!』
『はいはいはーい、次はアタシの番〜っ、
さぁ、コーノーハーちゃーんっ!』
『おげっ、ぉ、おい赤葦…ムグググ…
笑ってねーで、ゲホゲホ、助けろ、バカっ!!』
膝枕のまま、
赤葦が珍しく大笑いしてる。
『いやいや、
エリさんと付き合い始めて
木葉さん、ますます良い男ですから。
モテて当然ですよ、ね、木兎さん。』
『そーだな、さすが
"オールラウンドプレイヤー"。
俺には出来ない人類愛だ。やるな、木葉』
『おーまーえーらーっっ!』
みんなが笑ってる。
幸せだ。
幸せだけど、
キスは、
男とは、
したくねえっっっ!!