第19章 Marry me !!
…長い一日だった。
小春ちゃんは神奈川に帰り、
木兎達とも別れて、
エリと二人で、俺の家へ。
そこは、
ここ数日の慌ただしい雰囲気の抜け殻。
ガランと淋しい空間だ。
色んなことを思い返す。
『エリ、いろいろありがとな。』
『なんのこと?』
『赤葦と小春ちゃんのこと。
お前いなかったら、俺らだけじゃ
とても支えきんなかった。』
『残念ながら、秋紀のためじゃない(笑)
小春ちゃんは、私の大切な友達だからだよ。』
『…あいつら、どーなるかな?』
『またいつか、
同じ道を歩ける二人だって信じようよ。』
『…あぁ。』
『でも秋紀、言っとくけど
あたしはあんなの、無理だよ。
もし同じ状況になったら…』
『待ってろ、って言ってほしい?』
『違う。あたし、ついてく。』
だな。
エリは、
離れることも待つこともしない。
行動あるのみ。
コイツは、俺のいるとこに
いつだってきてくれるだろうし、
俺も、エリを手放さない。
『ま、心配しなくても、
俺、あんな決断迫られることねーからさ。
…申し訳ないくらい、
普通のサラリーマンだぜ。』
『よかったー、安心した(笑)』
二人で笑う。
エリの笑顔。
エリの泣き顔。
エリの寝顔。
エリの膨れ面。
エリのエロ顔も。
どれも、最高。
コイツを幸せにすることが
俺の、やりたいこと。
エリが、言う。
『絶対、
赤葦君と小春ちゃんにも出席してもらって、
秋紀の隣で、ウェディングドレス着るんだ。
だから…小春ちゃんのことは
これからも、私とアッキーに任せて。』
不思議だ。
エリが言うなら、きっと大丈夫。
そんな気がする。
迷いのないエリの言葉には力がある。
『エリ、ずっと一緒にいような。』
『…今の、プロポーズ?』
『ぁ、そんな風にも聞こえるか…
いや、プロポーズは、その時がきたら
ちゃんと、するから。
今のは…俺の、心からの願い。』
キスをして。
そして、二人で抱き合って、眠った。
エリが、俺の女でよかった。
心から、そう思いながら。
久々の、静かな夜だった。