第19章 Marry me !!
その後、空港で赤葦を見つけて
追いかけようとした小春ちゃんを
俺と木兎が止めたとき、
アッキーとエリは
号泣する小春ちゃんを見て
一緒に泣いていた。
社会人としての
赤葦の立場がわかるからこそ
俺と木兎は止めたんだけど、
アッキーとエリは
やっぱり、何よりも
恋する女の気持ちを
優先してあげたいわけで…
でも俺は、
あれでよかったんだと思ってる。
俺たちは、赤葦を守ったし、
赤葦は自分の決めたことを貫いた。
小春ちゃんは泣くことが出来たし、
アッキーとエリは
小春ちゃんの味方で居続けた。
みんなそれぞれ、
自分のやるべきことをやったんだ。
そのあと、レストランで
グッズグズの泣き晴らした顔で
巨大なパフェに食らいつくエリは
…こんなこというと
バカみたいかもしんねーけど…
本当に、キュートだった。
泣いて、食欲がなくなる、
とかいうんじゃねーんだぜ?
『やってらんない!』とか言いながら
巨大なパフェ、食うんだぜ?
何故か、全然食べるつもりのなかった
カツサンドとウーロン茶を
あてがわれた俺と木兎は
困った顔をしてみせたけど、
ホントは、ホッとしていた。
絶望的な気持ちのはずの小春ちゃんに
どうしてあげたらいいのか、
俺たちにわかるはずがない。
『自分より腹をたててる人を見ると
なぜか冷静になる法則』というのが
あるのかどうかわからないけど、
激しく(そして、少し筋違いに)
腹をたててたアッキーとエリを見て
小春ちゃんが冷静になったのは
間違いない。
『女のことは、やっぱ女同士だな。』
…俺と木兎は、カツサンドを食いながら
小さな声でそう語り合ったもんだ。