第19章 Marry me !!
エリは、キスが好きだ。
軽いキスなら、1日に何度も。
おはよう、も
おやすみ、も
バイバイ、も
うれしい、も
ごめんね、も
しあわせ、も
サンキュ、も
いつも言葉とキスがセット。
愛してる、のキスは、深く。
セックスのキスだと、濃厚。
付き合いだした頃は
酔っぱらってるのかと思うほどの
そのキス魔っぷりに
ちょっととまどったけど、
今では俺も、
言葉にキスを添えるのが
当たり前になってる。
求められてる、って気持ちが
嬉しいものだって、知ったから。
今、この瞬間は、
最高の"ありがとう"と"愛してる"を
伝えたいから、
たっぶり愛を込めたキスを。
引き寄せて、
腰を抱いて、
何度も唇をあわせて。
両手で頬をはさんで
舌を絡ませて。
頭をかき抱き、
口内に侵入したら
もう、呼吸ができないほど
深く、濃厚に、交わしあう。
見えない赤い粘膜への刺激。
押し付けあう体に
熱が籠ってくるのがわかる。
離れれば、
トロリ。
二人を繋ぐ、銀の糸。
…ふと、エリが呟く。
『小春ちゃん達、どうしてるかな?』
ばーか。
こんな時まで、人のこと、心配すんなよ。
『…余裕、あんだな。』
『そんなわけじゃないけど…』
『今、お前の頭ん中にいていいのは俺だけだから。
余計なこと考えてっと…』
攻撃、開始。