第19章 Marry me !!
『あのね、私が先にキスしたら、
木葉君、びっくりして、
ヤメロって言ったの。』
ほう。俺は、ヤメロ、と言ったのか。
まぁ、俺らしい。
案外、ビビりだからな、俺は。
『私が"なんで?好きなのに"って言ったら
"それは友だちとしてだろ"って言うから、』
だろ?
どっちかって言ったら、木兎の方がタイプだろ?
俺みたいな平凡君、選ばないだろ?
『L,O,V,Eのラブだよ、って言ったら』
は?
LOVE?
『"木兎と、俺を落とせるかどうか、
賭けでもしてんだろ?"って言うから』
…ゆうべも俺、そう思ったのか(笑)
『絶対違う、私はあなたを好き、
ってちゃんと言ったのに、』
のに?
『酔ってるからだろ、
明日になったらきっと後悔するぞ、
やめとけ、って言うの、君は。』
だって、そうだろ?
『だからね、"じゃ、同じくらい酔って
それから寝てみたら、お互い同じ条件で
気持ちがわかるんじゃないかな?"って
私が提案したら、』
したら?
『木葉君、そこに入ってたビールを二本、
キューってあけて…』
…おい、俺、飲んだんかいっ。
結局、そっち選ぶんかいっ!!
『じゃ、ヤってみっか、って言って…』
おぁ、ただのエロ男か…我ながらガックリ…
『で、ここでお互い、脱いで…
はい、脱いでみよ…そうそう、
下着もいらない、って言うから、
私も、すぐ全部、脱いで…』
…ホントの話?
俺、下着もいらないって言った?
…言いそうだ。普段から、
どっちかっていったらすぐ、脱がす。
いや、その方がさ、
もう一回着る時に、あんまり、その、
濡れてない方が、はきやすいかな、
という優しさのつもりですが…
つまり、
俺が言いそうなことだってわけだ。
『こういうことになって…』
こういうこと…
つまり、全裸。
『そんでシャワーを浴びたわけ、二人で。
どーする?今、浴びる?』
…浴びよう。
いや、現場検証に必要だから、じゃない。
俺の頭を覚ましたいから。
エリちゃん曰く、俺がひっぱって
風呂場に行き、丁寧にお互いを洗って、
そこで、エリちゃんは"欲しい"って
言ったらしいけど
(いちいちそこまで報告しなくても…)
俺が"ベッドで堪能させろ"と言ったらしく…
あぁっ、もうっ、はっきり言うっ。
覚えてないのがもったいないっ!