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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第18章 誓いの言葉



『しかし…』

社長は私達の顔を
代わる代わる見ながら言った。

『社長としては、
なんとかして君たちを別れてさせて
京治に会社に残って欲しいんだが。』

『俺より、兄さんの方が社長向きなのは
わかってらっしゃるでしょう?』

『俺はお前の才能もかってるぞ。』

『気持ちの悪い冗談、やめて下さい。
なんでそこまでして俺を推すんですか。
年齢から見ても、兄さんが妥当でしょ?』

社長が、ニヤリと笑って言う。

『会社に関係なく、私個人が愛したのは、
お前の母さんだけだったからなぁ。
愛した女との子供に継がせたいんだ。』

『そんな経営者失格な言い訳がもし本当なら、
俺はますます、
自分が心から愛した人としか結婚しませんね。
社長の失敗を、俺が活かさせてもらいます。』

『おいおい、聞いたか、小春君、
京治はこんな冷たい男だよ?
本当に、京治でいいのかね?
今ならまだ、私が、
家も仕事も男も、格別良いのを探してやるが…
それでも京治がいいのかね。』

…本気じゃないのは、わかってる。
だから私も、わざと、答える。

『もし京治さんが
牛島組の娘さんと恋に落ちたりしたら、
その時は私に
京治さんよりいい男性を紹介して下さい。』

『小春!そんな冗談ににつきあわなくていいよ。
…とにかく社長、そういうわけで、
まずは向こうで全力で働いてきますので。
…今回のこと、
本当にいろいろご迷惑おかけして
申し訳ありませんでした。』

『こんなの、迷惑のうちに入らん。
さぁ、もう行きなさい。』

京治さんと二人、
深く頭を下げて、
社長室を、出た。

静かに閉まったドア1枚。
その向こう側で、
社の全責任を一人で負う人の
懐の大きさを、知る。





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