第18章 誓いの言葉
『おーい、お前ら、
人んちでいつまで寝てる気だよっ?!』
…木葉さんの声が聞こえて、
二人同時に目が覚めた。
『開けるぞー、
小春ちゃん、ちゃんと隠しとけ~。』
京治さんがスッと
私の首までシーツをかけ、
自分がドア側に移動して
私が見えないように隠してくれる。
…優しい。静かに、優しい人。
二呼吸ほど間があってドアが開いた。
『すんません、すっかり熟睡してました。』
『眠れてよかったじゃん。
それとも、朝まで楽しみすぎたのかな~?
ん?ん?!小春ちゃん、イカされすぎて
立てないんじゃない?……イテッ(>_<)』
『秋紀、セクハラ!
小春ちゃん、私のでよかったら
ジャージとTシャツ置いとくから、使ってね~。』
『ホントにありがとうございます。』
…木葉さんたちに声をかけられたのは
陽ものぼった10時過ぎだった。
エリさんに借りた
ジャージとTシャツを着て
京治さんとリビングに降りる。
…ゆうべ、ここで、愛し合ったね…
そんな気持ちで
京治さんの手をギュッと握ると
…そうだね…
と答えるように、手を握り返してくれる。
"木葉さんの隠れ家"は
ホントに、私たちにとって大切な大切な場所。
木葉さんとエリさんが買ってきてくれた
焼きたてのパンと、
香りのいい淹れたてのコーヒーを囲んで
みんなでブランチ。
『なぁ、あかーしぃ、
お前の父ちゃんにバレちゃったんだろ?
もう、堂々とつきあえんじゃねーの?』
『今からしばらくは、
派閥の人間に気を付けないと。
俺と小春を離れさせたい人が
いっぱいいるから…
小春が会社に居辛くなるようなことを
されることもあるかもしれないですし。』
『小春ちゃん、心配だね…』
『だから小春、
昨日、社長が言ってた通り、気を付けろ。
資料室のドアは、常に開けておいた方がいい。
閉じ込められたりしないように…』
『赤葦君、それマジなの?こわっ!!』
『万が一、ですよ。
早くなんとか出来るように俺も考えますんで。』
『そーだよ、あかーし、お前、
今までは自分のやりてーことだけ
やってればよかっただろーけど、
もう、今からはさぁ…』
…木葉さんの言葉で、思い出した。
『ねぇ、京治さん、』