第18章 誓いの言葉
『小春…ありがとう。』
京治さんが、シャツを脱ぐ。
『さっきは、ごめん。』
カチャリ。下半身も。
『これが、俺の全部。
大きな会社も
高いスーツも、
俺のもんじゃないよ。
父のものだし、
いずれ兄のものだ。
…それでも、いい?』
涙が出る。
『京治さん…充分…でしょ…』
あなたの価値は、
肩書きでも家柄でも、
洋服や持ち物の値段でもないよ。
…少なくとも、
私や、木葉さんや木兎さんにとっては。
『心と身体だけ、私に、下さい。
あとは…なんにもいらない…』
手を握る。
抱き寄せられる。
お互いの肌から、ぬくもりを伝えあう。
『…小春、優しくする。抱いて、いい?』
『…優しくなんて、しなくていい。
だから、おもいきり、抱いて…』
やっと、お互いに、
同じ気持ちで向き合えるね。
大好き、という気持ち。それだけ。