第18章 誓いの言葉
押し倒された身体の上から
私を見下ろす、黒い瞳。
手を伸ばして髪を触ろうとすると、
その手を掴まれる。
『…俺が、抱くんだから。』
掴まれた右手をそのまま頭の上で押さえ、
唇を重ねられる。
ワインの香り…
紫色の、深いキス。
えぐるように、舌が入ってくる。
呼吸ごと飲み込まれそう…
唇を離れた舌は、
耳を、卑猥な音をたてながら通りすぎ、
首筋に、濡れた跡を残しながら
鎖骨へとたどり着く。
骨の上を、
噛みつくように行き来してから
『脱いで。自分で。』
命令されると、身体が自然と動く。
カットソー。
長いスカート。
キャミソール。
あとは…ブラとショーツ。
どうする?
という気持ちで京治さんを見ると、
京治さんも、脱ぎ捨てる。
白いTシャツ、白いジャージのズボン。
…残ったのは、黒いボクサーパンツ1枚。
そのまま再び、ベッドに組み敷かれた。
白い身体。
引き締まっていて…
胸元の突起の薄い色がなまめかしい。
肌が重なって、
彼をクールだと思っていたことが
間違いだったと知る。
身体も、愛撫も、求める仕草も
全部、熱い。
服の下に隠されていた欲望と渇き。
全部、私にぶつけて…
そんな気持ちで、彼の求めに答える。
はずされたブラの中から溢れた胸は
形が変わるほど握りしめられ、
指の間から覗く両方の固い乳首は、
つままれ、なめられ、噛みつかれて、
感覚がない…のに、身体の奥が疼く。
やがておもちゃに飽きた子供のように
胸から手を離すと、
今度はそのまま舌で、
ゆっくり下へと探られる。
くびれ、腰骨…
今まであんまり、
触られたことないようなところも
丁寧に、丁寧に。
じらされて、
あちこちが溶けてしまいそうで…
でも、
京治さんのやりたいように。
壊れそうな心のバランスを
私の体で取り戻せるなら。
さっき、意識を失う前に言いかけた言葉、
『俺、俺さ…』
その先は、きっと苦しい胸の内だ。
その言葉を聞く前に、
京治さんの心を、少しでも軽くしたい。
私のことを、信頼してほしい。
そのための、
この身体。
これから始まる
私達の遠い道のりの、
最初の、一歩。