第4章 夢の国ウェディング
家にあげてもらった。
『龍君、私、何かお願いしてたっけ?』
『今日アキちゃんの大好きな
キティのお誕生日だろ?お祝いしよーぜ。』
宅急便の段ボールのなかから
一つ一つ、取り出す。
『まず、お祝いと言えば、花。』
…白と赤のカーネーションを束ねて
目と鼻をつけ、
大きなキティの顔をデザインした
特注の花束💐
『何、コレ、かわいい!
え、本物の花?すっごーい!!』
目を丸くするアキちゃん。
『次に、お祝いと言えば、ケーキ。』
ケーキ全体をキティの顔にしたてた
キャラクターケーキ。
『キャー、かわいすぎて食べられない!』
『そして、俺が一番渡したかったもの。』
ピンク色の小さな箱から取り出した、
キティの指環。
おもちゃじゃねぇぞ。
ピンクゴールドのリングに
キティの顔とルビーがついた、
ちゃんとしたジュエリー。
『アキちゃん、左手出して。』
うん、彼女の健康的な手には、
ピンクゴールドのかわいい色合いが
よく似合う!
(注:もちろんノヤ嫁のアドバイス)
薬指に指輪をはめて、俺は言った。
『アキちゃん、俺と結婚してくんねーか?』
アキちゃんの大きな目が
うるうると潤んでいる。
『うん。うん。うん。はいっ!』
『よーし、それじゃ、ここに
フルネームでサインをお願いします。』
俺が、宅急便屋らしく
ポケットから取り出したのは、
…婚姻届だった。