第4章 夢の国ウェディング
その安全コンテストの前日、
金曜の夜。
アキちゃんからメールが入った。
『ほんのちょっとだけ、
お時間いただけませんか?』
約束した場所に行くと、
アキちゃんが、
おずおずと両手を差し出す。
『あの…
安全運転コンテスト、頑張って下さい。
田中さんならきっと入賞できます!
…これ、私の応援の気持ち…』
手に握られていたのは、
お、お守りだ!
しかも、手作りっぽい!!
…俺は、
高校時代から、バレーの試合があるたび、
何度もこういう場面を妄想してきたんだ。
それが、今、現実になっている…
『アキちゃんっ、ホントにホントにありがとう!
いい報告出来るように、俺、頑張るから!!』
俺の妄想を現実にしてくれたアキちゃん。
認めるよ。
俺は、君にホレてしまった…
目が大きくて、
赤い縦縞のシャツに蝶ネクタイをつけた
カエルのお守りのおかげか、
コンテストでは3位入賞を果たし、
その結果を報告した日から、
俺達は、
つきあい始めた。