第15章 100回目のプロポーズ
30分ほどたっただろうか。
荷物は、数台の車に分けて積み込まれ、
学生達もそれぞれに帰っていって、
『おまたせ~。』
…ようやく、アキが俺の前にやってきた。
日が暮れた町を、並んで歩く。
何年ぶりだっけ?とか
元気にしてたか?とか
そんな
当たり障りのない話から始めたけど
すぐにプッツリと、会話が途切れる。
…どっちが肝心な話を切り出すか、
お互い、探ってる感じ…
そりゃ、誘ったんだから、
俺から言うべきなんだってわかってる。
でも、
ホント、俺、ダメだ。
こういう時、どうやっていいか、わかんね。
…スガさーん、
こんな時も
『真っ向コミュニケーション』ですかね?
思わず、その場にいないスガさんにまで
助けを求めたくなる始末…
アキを前にすると、
ホント、俺って、ペースが崩れる…