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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第15章 100回目のプロポーズ




『アキ、俺の事、スキか?』

また目に涙を浮かべて、
アキが頷く。大きく。

『どのくらい?』

…濡れた真っ黒な瞳で、
じっと、じーっと俺を見つめた後、
大粒の涙をぽろぽろこぼしながら、
アキは、言った。


『トビオが、
私を好きでいてくれるのと、同じくらい。』



…なんだよ。

じゃ、アキも、俺の事、
大好きなんじゃねーか。

世界一、好きなんじゃねーか。

ホントは別れたくないくらい、
大好きなんじゃねーか。

バカヤロー。

んなこと言われたら、
やっぱり別れたくねーって、
言っちまいそーだよ…



不器用な俺たち。
だけど、正直な俺たち。

自分にも、相手にも、夢にも
嘘は、つけない。



『アキ、絶対、夢、叶えるぞ。
そんでどっちかの夢が1つでも叶ったら、
もしもそん時、
例え違う相手と一緒にいたとしても、
心の中で、ちゃんと祝福しよう。』



限りなく紺色に近付いた夕暮れが、
俺たちの姿を隠してくれる。

もう、人目を憚る必要もない。

これで、最後だ。

もう一度、アキを抱き締めて、

そして、

俺も、泣いた。






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